【2024年最新版】ITコンサルタントの単価相場は?案件種類別・報酬体系別に詳しく解説
更新日:9月10日
「ITコンサルタントとして活躍したいけれど、どのくらいの単価が期待できるのか気になる」
「案件ごとにどのくらい単価が異なるのか知りたい
このように感じている方は多いのではないでしょうか。
ITコンサルタントの単価は、案件の種類や報酬体系などの要因によって変動します。高単価の案件もありますが、それには高いスキルが求められます。
今回は、ITコンサルタントの単価相場を案件や報酬体系別に詳しく解説します。さらに、単価を上げる方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ITコンサルタントの需要は今後も高くなる?
デジタル化の波によって企業に大きな変革が起きている近年では、ITコンサルタントの需要と重要性が高まっています。特にDXの加速とIT人材不足の流れは今後も変わらないでしょう。
DXの加速
DXの推進には最新のIT知識と経験が不可欠です。そのため、専門性の高いITコンサルタントは、企業の戦略策定や実行のサポート役として高い需要が期待できます。
ITシステムの実装段階においてもコンサルティングを求められる機会は増えるでしょう。業務改革に伴う関係者への教育研修や組織変革支援のような案件も増えています。
人材不足の解消
経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によると、IT人材は2025年に最大58.4万人、2030年には78.7万人が不足すると予測されています(参考:IT人材需給に関する調査)。
高度な専門性とプロジェクト遂行能力を備えたITコンサルタントは、深刻なIT人材不足に悩む企業にとって欠かせない存在です。社内で人材を確保できない大企業が、外部のITコンサルタントに業務を委託するケースも少なくありません。
フリーランスのITコンサルタントの単価相場はいくら?
ITコンサルタントの単価相場は弊社が提供しているサービス「Professionals On Demand」からITコンサルタントの案件の単価を参照させていただくと、稼働率100%と仮定した場合、月額60万円〜150万円となり、ボリュームゾーンとしては月額報酬80万~120万ほどになります。年収で換算した場合960万円〜1,440万円ほどになります。
また、大規模で長期的なプロジェクトほど報酬単価が高くなります。また、会社員よりもフリーランスのほうが高年収になる傾向があります。
副業の単価相場は3万円〜100万円です。副業は案件の種類や稼働率によって単価が大きく変わります。
ITコンサルタントの案件種類別単価相場はいくら?
高度な専門性が必要になる上流工程やPMOは単価が高く、下流工程は比較的低くなります。
IT戦略 | 月額150万円〜200万円 |
---|---|
PM/PMO | 月額60万円〜250万円 |
SAP | 月額40万円~205万円 |
種類が同じ案件であっても、規模や複雑度が高ければ単価は上がります。詳しく見ていきましょう。
IT戦略
IT戦略はクライアントの経営課題や事業部課題に応じて最適な提案と助言を行い、場合によっては戦略の立案を行うコンサルタントのことを指します。
IT戦略案件の単価相場は、100%稼働で月額150万円~200万円です。
戦略の立案には幅広い知識とスキルが求められます。分析力、構想力、課題発見力、提案力のようなスキルも不可欠です。月額150万円~200万円という高額な報酬は、その高い専門性への対価と言えます。
PM/PMO
PM/PMOはITにおける導入や運用におけるプロジェクトマネジメントを支援する業務を指します。
ITシステムの要件定義や設計、開発、テスト、導入など様々な工程に対してプロジェクトマネジメントを行います。具体的には進捗管理、リスク管理、関係者調整がメインと業務となるでしょう。
PM/PMO案件の単価相場は100%稼働で月額60万円~250万円です。業務レベルや工程、企業によっても単価は変わります。平均的な単価は月額120万円前後です。
大規模で難易度の高いプロジェクトも単価が上がります。また、案件の稼働率も単価を左右します。
SAP
SAPはERPシステムの導入における最もメジャーな製品です。その他にもいくつかのサービスがありますが今回はSAPに絞って解説いたします。
SAP案件の単価は、経験年数によって月額40万円~205万円と差があります。
SAPは、さまざまな業務プロセスをカバーするソフトウェアです。複雑なビジネスプロセスを深く理解するには長期間の経験を積む必要があり、期間の長さに伴って専門性と単価も高くなります。
また、SAPは需要が高く、コンサルタント不足が慢性化しています。経験豊富で専門性の高いコンサルタントができる人材ほど不足が顕著なので、需給のタイト感も高単価につながっていると考えていいでしょう。
ITコンサルタントの報酬体系別単価相場はいくら?
ITコンサルタントの単価は報酬体系によっても異なります。
顧問契約 | 月額3万円〜100万円 |
---|---|
スポットコンサル | 1時間5,000円〜3万円 |
成功報酬型 | 売上やコスト削減額などによって決まる |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
顧問契約
顧問契約の単価は月額3万円~100万円です。月数回の訪問アドバイスであれば低単価ですが、高頻度で緊密にフォローアップをする案件は高単価が設定されます。コンサルタントの経験と専門性の高さも単価を左右する要因です。
スポットコンサル
顧問契約の単価相場は1時間5,000円~3万円です。
オンラインによる簡易的なコンサルは時間当たり数千円が基本ですが、専門性が高く経験豊富なコンサルは高額になります。業務の難易度によっても単価は変動するため、事前に確認しておくといいでしょう。
成功報酬型
成功報酬型の案件は「売上やコスト削減額の〇〇%」のように報酬が決められます。成功報酬率はプロジェクトや企業によって異なるのが一般的です。
報酬が変動するリスクはありますが、成果を上げれば高額単価も期待できます。
正社員とフリーランスITコンサルタントの年収差
ITコンサルタントの平均年収は、正社員が平均647万円、フリーランスは720万円~1,800万円です。
正社員は給与体系が制限されるので極端な高年収は望めませんが、安定収入が保証されます。
一方、フリーランスは自分の専門性とスキルを武器に、難易度の高い案件を高単価で受注することも可能です。1,000万円を超える年収を得られるチャンスもあります。
フリーランスと副業ITコンサルタントのメリット・デメリット
フリーランスと副業ITコンサルタントには、それぞれにメリットとデメリットがあります。業務開始後に後悔しないためにも、フリーランスと副業のどちらが適しているかを慎重に検討しましょう。
フリーランスITコンサルタントのメリットとデメリット
フリーランスは高収入を期待できますが、社会保障や業務継続の不確実性といったデメリットがあります。詳しく見ていきましょう。
メリット
高い報酬が期待できる
フリーランスのITコンサルタントは案件ごとに報酬単価が確定するため、正社員に比べて、高い報酬獲得が期待できます。高い報酬を獲得するためには自らの強みや市場に求められているスキルを理解する必要があります。高い報酬を得たい場合はエージェントサービスを利用したうえで自らのスキルセットと求める報酬を明示し、案件をマッチングしてもらうことをおすすめします。
自由な働き方ができる
フリーランスは正社員と違って、基本的に固定の労働時間がないためライフスタイルや状況に応じた働き方が可能です。また、長期休暇についても案件次第ではありますが好きに取得することができます。
仕事を選ぶことができる
フリーランスのITコンサルタントは、対応する案件を自分の判断で選ぶことができるというメリットもあります。やりがいのある業務や得意業務を優先的に取り組むことによってモチベーション高く仕事を実施することができます。
デメリット
収入が不安定
フリーのITコンサルタントは契約ごとに取引が発生するため、案件がない場合や契約が更新されない場合は収入がなくなるリスクがあります。そのためフリーのITコンサルタントとしてやっていくためには案件を獲得する手段を複数持っておく必要があります。
副業ITコンサルタントのメリットとデメリット
副業ITコンサルタントは、会社員としての立場を維持しながら本業+αの収入が期待できます。ただし、時間的・精神的負荷が大きくなる恐れもあります。詳しく見ていきましょう。
メリット
安定的に報酬を獲得できる
副業ITコンサルタントは本業の安定収入に加えて、副業収入による経済的補完ができます。副業の稼働時間は限られますが、業務継続の不確実性を気にする必要はありません。
スキルアップができる
副業でのITコンサルタントの業務は、スキルアップにも繋がります。さまざまな企業や業界のプロジェクトに携わることによって、新しい知識やスキルを習得できるチャンスが増えます。最新のIT動向を学ぶ機会にもなるでしょう。
デメリット
両立が難しい
本業との両立が原因で時間的・精神的負荷が大きくなる可能性があります。副業が禁止されている企業に在籍している場合は、そもそも副業活動ができません。
ITコンサルタントの単価が変動する要因
ITコンサルタントの単価は専門性、経験、プロジェクト規模、直請け・下請けなど、さまざまな要因によっても変動します。詳しく見ていきましょう。
専門性と経験
高度な専門知識を有するITコンサルタントは単価が上がります。また、特定分野や最新テクノロジーに精通していると付加価値が高く評価されます。
経験も単価が変動する要因です。長年の実務経験を積んでいるコンサルタントは、問題解決力が高く評価されて単価が上がる可能性があります。具体的な実績を示せれば、クライアントからの信頼も得られるでしょう。
プロジェクトの規模
ITコンサルタントに求められる作業内容は、プロジェクトの規模によって変わります。
大規模で複雑なプロジェクトに取り組む場合は単価が高い傾向にありますが、小規模なプロジェクトの単価は低めです。
ただし、小規模なプロジェクトであっても、新規の技術領域を扱う場合は例外的に単価が高くなることもあります。
クライアントの企業規模
大企業のクライアントは、中小企業よりも単価水準が高めです。大手企業は予算に余裕があり、高額な単価にも対応できるケースが少なくありません。そのために大規模なプロジェクトが多く、高度な専門性を持つコンサルタントへの需要も増えます。
反対に、中小企業は予算が限られており、プロジェクトの規模も小さいため、単価が低くなる傾向にあります。
直請けと下請け
中間コストがかからない直請けは単価が高めです。一方、下請けは手数料分が差し引かれるので単価は下がります。
エージェントが間に入る場合も単価は下がりますが、自分に適した案件を見つけやすくなるのは大きなメリットです。単価の安さは「仕事を探す時間を省くためのコスト」と割り切ってエージェントを利用してみるのも、ひとつの方法でしょう。
工程
上流工程の戦略立案やシステム設計は単価が高めです。上流工程は全体の方向性を左右するため、高度な専門性が求められます。コンサルタントの経験と能力も強く問われますが、それが報酬の高さに直結していると考えていいでしょう。
開発や運用保守といった下流工程は仕様に沿って作業を進めるだけなので、単価は相対的に低めです。
ITコンサルタントが単価を上げる方法
ITコンサルタントが単価を上げるには下記のような方法が有効です。
- 専門性を高める
- 実績を積む
- 業界の最新情報を常にチェックする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
専門性を高める
ITコンサルタントには、さまざまな専門分野の知識が求められますが、特定分野の専門性を高めると単価を上げられます。このような人材は代替が利きにくいため、交渉も有利に進められるでしょう。
難易度の高い要件や複雑な案件に対応できる専門的知見も評価の対象です。付加価値の高い提案ができるほど高単価の案件を獲得しやすくなります。
汎用的な能力だけではほかのコンサルタントとの差別化が難しく、価格競争に巻き込まれがちです。資格の取得や継続的な学習などを通じて、スキルを磨き続けましょう。
実績を積む
ITコンサルタントの実績も単価の根拠となります。多くの案件に携わりながら明確な成果を残して実績を積み上げましょう。大規模なシステム開発やクリティカルな案件の経験があれば、より高い単価が期待できます。
実績をプロフィールやポートフォリオに記載して可視化することで、受注前にクライアントの信頼性も高められるでしょう。
提案力を向上させる
クライアントのニーズを深く理解して最適なソリューションを提案できるスキルも重要です。また、新しい発想や独創力を発揮した提案も高く評価される傾向にあります。提案力を向上するためには、多く経験を積みながら最新技術の理解度を深めることが大切です。
業界の最新情報を常にチェックする
クライアント企業を取り巻く業界のトレンドを常に把握しておくことで、価値の高いアドバイスができます。IT系ニュースメディアや専門家のブログチェック、カンファレンスへの参加など、さまざま方法で情報を収集しましょう。
ITコンサルタントが案件を獲得するためのスキル
ITコンサルタントが案件を獲得するためには、下記のようなスキルが必要です。
- 課題解決力
- コミュニケーション能力
- 分析力
- プレゼンテーション力
それぞれ詳しく解説します。
課題解決力
ITコンサルタントには、クライアント企業の課題を的確に把握して課題を解決する能力が求められます。計画的かつ実行力のある課題解決プロセスを提示する能力がなければ、案件の獲得は困難です。
課題解決力を習得するためにも、論理的思考力と創造力を養う努力を続けましょう。過去の事例から課題解決のパターンを知っておくことも大切です。
コミュニケーション能力
業務をスムーズに進めるためのコミュニケーション能力も欠かせません。ITコンサルタントは、技術的な仕事だけではなく対人業務も増える職種です。
たとえば、システムの設計や構築をするためには、クライアントだけではなく、PMとITアーキテクトとコミュニケーションを図らなければいけません。コミュニケーション能力が高くなければプロジェクトもスムーズに進まず、継続的な案件の獲得が難しくなるでしょう。
分析力
分析力は、企業の課題とITシステムの現状を適切に評価するスキルです。経営データや業務プロセスなども含めて多角的に分析を行う能力が求められます。
たとえば、売上が伸びない原因がマーケティングにあるのか、生産性の問題なのかを見極められなければ適切な解決策を導き出せません。しかし、高度な分析力があれば本質的な課題を把握して、適切な戦略を展開できます。
プレゼンテーション力
プレゼンテーション力は、分析結果や解決策をクライアントにわかりやすく提案するスキルです。提案の内容を論理的に組み立ててキーポイントを効果的に伝えなければ、クライアントの理解と合意は得られないでしょう。
なお、プレゼンテーション力は、過去の提案資料やほかのプレゼンを参考にすると高められます。案件を獲得するためにも継続的な努力を怠らないようにしましょう。
ITコンサルタントの単価に関するよくある質問
報酬交渉のコツは何ですか?
クライアントの予算を考慮しながらWin-Winの関係を築けるようにするのがポイントです。建設的な態度を心がけながら、過去の経験や実績、スキルも積極的にアピールすると効果的でしょう。
セミナーや研修教育でも報酬は受け取れますか?
セミナーや研修教育は、スポットコンサルに多い案件です。単価は高くありませんが短時間で報酬を得られます。
ITコンサルタントの年収上限はどのくらいですか?
収入はさまざまな要因によって変動するため、一概に上限の設定はできません。正社員ITコンサルタントの平均的な年収は約650万円です。しかし経験豊富で実力があるフリーランスともなると年収1,000万円以上も狙えます。
まとめ
この記事では、ITコンサルタントの単価相場・案件例・報酬体系などについて解説してきました。 一定の経験・スキルをお持ちの方は、高単価なITコンサルタント案件を獲得して、さらなる収入や経験に繋げることも十分可能です。ぜひPODを利用して、ご自身に合ったITコンサルタント案件を獲得してみてください。